勤めを終えて家に戻ったジャック(43歳、白人)がまず最初にすることは
5歳になる大柄なポインター種の愛犬を散歩させることだった。
今日は帰りが遅くなり日はとっぷり暮れていた。
近頃は物騒なのでなるべく夜は外出したくなかったのだが
元気な雄の愛犬を散歩させないわけにはいかない。
「いい子にしてたか、よし、よし、グッド・ボーイ」
ジャックは犬の頭を撫で首輪につけた紐を手に取った。
なるべく人通りの多い通りを歩いていれば安心できる。
しばらくしてジャックがたばこを吸おうとして立ち止まり
紐を握る手を緩めたとき、ちょうど目の前をふっと野良猫が横切った。
愛犬が大声で吠えながらもの凄い勢いで猫の後を追っていった。
ジャックも慌てて後を追って走った。
愛犬は本能のままにぐんぐん猫を追い詰めながら
中央公園の中に入ってしまった。
漆黒の闇と化している中央公園は昼は人々の憩いの場であるが
夜になれば善良な市民は立ち入ろうとはしない。
ジャックは公園の手前から大声で愛犬を呼び返そうとした。
「ヘーイ、ビッグ・ボーイ!カモ―ン、ビッグ・ボーイ!」
夢中で叫んでいると暗闇からいくつもの顔が現れ・・・(^_^.)
2017/03/30(木) 05:50 笑い 記事URL COM(0)