女性が買い物を終えてスーパーから出てくると、とても長い葬送の列に出くわした。
先頭には2つの棺、そしてその後に女性だけが200人近くも続いて歩いていたのである。
あまりにも不思議な光景だったので、女性は喪主と思しき、自分と同年代の女性に尋ねた。
「あの・・・このようなご不幸のときに不躾とは思いますが、いったいどなたの葬列なのでしょう?」
喪主の女性はちらりと目線を上げ、静かに答えた。
「実は・・・先頭の棺は私の夫です。長年可愛がっていた飼い犬に噛まれて死んだのです。」
「まあ、それは何と不幸な・・・」
女性が驚くと、喪主は言葉を続けた。
「2番目の棺は夫の母親です。彼女は夫を助けようとして、やはり同じ犬に噛み殺されたのです。」
その言葉を聞くと、女性は遠慮がちに言った。
「あの・・・もしよろしければ、そのワンちゃんを貸して頂けませんか?」
すると喪主の女性が答えた。
「では一番後ろにお並び下さい」(笑)
(2014/9/1)