長年、子供のできないスミス夫妻は代理父を頼む決心をした。
代理父が来る日、スミス氏は妻にキスすると自分はいない方がいいと言って、
出かけていった。
30分後ちょうどその時、赤ちゃん専門の訪問写真家がドアのベルを鳴らした。
「おはようございます、奥様。 私は・・・]
そのカメラマンの言葉を遮って、スミス夫人が言った。
「説明はいいのよ、お待ちしていました。」
「ほんとうですか? 私は赤ちゃん専門の・・・」
「夫も私も、それを望んでいるんです。どうぞ、お入りください。」
スミス夫人は、恥ずかしそうに言った。
「それで・・・どう始めたらいいですか?」
「全部私におまかせください。そうですね、
普通はベッドの上ですがお風呂とか、
ソファーの上とかがいいですね。リビングの床もいいです。
リビングなら大きく広げる事もできますしね。」
「え!? お風呂とかソファーとかリビングの床?
ハリーも私もそんな場所が効果的なんて知りませんでした。」
「そこがいつもベストとは保証できませんけどね。
他にも違った場所で6~7回試しましょう。
きっと喜んで頂けると思いますよ。」
夫人が言った。
「そんなにしなくてもいいので、早く終わらせたいんです。」
「奥様・・・私の経験から言って、一回に最低5分は必要です。
それでも、きっとご満足いかないと思いますけれどね。」
夫人は少し怒って言った。
「そんな、満足なんて! そういう目的じゃないです。」
写真家はバッグから赤ちゃんの写真を取り出した。
「この赤ちゃんの場合は、ロンドンの2階バスの中で仕事しました。」
「オーマイゴッド! バスの中でしたんですか?」
「それから、この双子の赤ちゃんの場合はハイドパークに出かけました。
観客が周りに集まって、応援してくれました。」
スミス夫人は、びっくりして言った。
「観客が集まった!?」
「そうです。 それから約3時間ぐらいかけました。
そのときの奥さんは、ずっと声を上げていましたが、暗くなってきたので、
急いで終わらせようとしたのですが、リスが私の道具をかじろうとしたので、
そいつを追い払うのに時間がかかってしまいましたけれどね。」
「え! リスが貴方のその・・・それというか道具をかじろうとしたんですか?」
「そうです、奥様。じゃあ、準備にかかりましょう。
まず、支えの三脚を立てないとね。」
スミス夫人が、目を見開いて言った。
「三脚が必要なんですか!」
「もちろんです。私の道具は大きくて長いので支えが必要なんです。」
「奥様! 奥様! どうされましたか?」
スミス夫人は気絶していた。