ある男が一人砂浜を歩いていると
突然、荘厳な声が響いた。

「掘るが良い・・・」

慌てて辺りを見回しても、
人影は見当たらない。
男が気のせいだったのかと安心していると
再び、荘厳な声が響いてきた。

「さあ、掘るのだ・・・」

男が半信半疑で砂を掘ると、
中から鍵のかかった小さな棺が出てきた。
すると、またもや荘厳な声が響いた。

「開けるのだ・・・」

男はそばにあった岩で何とか鍵を壊すと、
中には大量の金貨が詰まっていた。
小躍りした男に、またも荘厳な声が響いた。

「カジノに行くのだ・・・」

すっかり信じた男は、
棺を持って2、3マイル先のカジノへ歩き出した。
やがてカジノに着くと、荘厳な声が響いてきた。

「ルーレットに行くのだ・・・」

男はすべての金貨をチップに変えて、
ルーレットに向かった。
待っていたかのように、荘厳な声が響いた。

「27・・・」

男は大きくうなずくと
、山のようなチップを27番に置いた。

周りにはたくさんの野次馬が集まり、
驚愕の表情でそれを見守っていた。
張り詰めた空気の中、
ディーラーはルーレットにボールを投げ入れた。

ボールは、26番に止まった。
と同時に、荘厳な声が響いた。

「クソっ!」
2023/06/02(金) 01:36 笑い 記事URL COM(0)