ある青年が海辺で知り合いの老人に出会った。
老人は挨拶ついでに青年にこう尋ねた。

「おまえさん、漁師になりたいそうだが、
よくそんな気持ちになれるもんだね。
おまえさんのじいさんは漁に出て死んだ。
そしておまえさんの父親もまた、
漁の最中に海で死んだ。
それでもおまえさんは海が恐ろしくはならないのかい?」

これを聞いて青年は言った。
「じいさん、あんただって変な人だよ。
あんたのじいさんは家のベッドで死んだ。
そして、あんたの父さんもまた
家のベッドで死んだそうじゃないですか。

それなのによくもまあ、
恐ろしがらずに毎日家に帰って
ベッドに平気で寝ていられるもんですね」

2022/02/11(金) 05:16 未整理 記事URL COM(0)