ささやき
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死の床
ある老人が死の床に伏していた。
余命数時間しかない彼の鼻先に、
突然チョコレートクッキーの甘い香りが漂ってきた。
彼はチョコレートクッキーに目がない。
最後の気力を振り絞り、
一足一足慎重に階段を下り、
やっとのことでキッチンにたどりついた。
そこでは彼の妻がチョコレートクッキーを焼いていた。
どうやら愛する妻が自分のために焼いてくれたらしい。
老人が目を潤ませながらチョコレートクッキーに手を伸ばすと、
妻が手にした木べらで彼の手をぴしゃりと叩いた。
「ダメよ、葬式用なんだから!!」
2021/07/12(月)
04:43
笑い
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