ジョージとメアリーの夫婦は11人の子供をもうけたが、
ジョージは4番目のビリーだけが他の兄弟姉妹達と
どこか違うように思えてならなかった。
そこで、ジョージはメアリーに問いただした。
「もしかしたら、
ビリーだけ他の子達と父親が違うんじゃないのか?」
するとメアリーはうなだれて言った。
「そうよ・・・ビリーだけは他の子供たちと父親が違うの」
ジョージは落胆して頭を抱え、しばらくしてから再び尋ねた。
「ビリーの父親は誰なんだ?」
メアリーはビリーをまっすぐに見返して答えた。
「あなたの親友のトムよ・・・ごめんなさい、あなた」
そういうとメアリーは泣き出した。
ジョージはメアリーの肩を優しく抱いて言った。
「メアリー、愛しているよ。
たった1回の過ちなんて二人で忘れてしまおう」
その言葉にメアリーはいっそう激しく泣き出した。
「・・・1回じゃないの」