ジェームスと妻のキャシーは毎年春に夫婦で州のお祭りに出かけた。

毎年ジェームスが言う。
「ねえキャシー、遊覧ヘリコプターに乗ろうよ!!」

キャシーがいつも応える。
「でも、100ドルもするのよ。なんてったって100ドルだから。」

今年もジェームスとキャシーはお祭りにやってきた。
ジェームスが言った。
「ねえ、キャシー、もう二人とも80才だからなあ。 
 今年遊覧ヘリに乗らないと、来年は乗れないかもしれないよ。」

キャシーが言った。
「でもねえ、100ドルもするのよ。なんてったって100ドルですから。」

それを聞いていた遊覧ヘリのパイロットが言った。
「じゃあ、タダでヘリに乗せてあげるよ。 
 ただし、飛行中に一言も声を出さなかったらだけどね。
 もし、声を出したら100ドル払って貰うっていうのはどうだい?」

老夫婦はその話をOKしてヘリに乗った。

パイロットは二人に声を出させようと、急上昇や急降下を繰り返し
真横になるほど機体を傾けたり、可能な限りのアクロバット飛行をしたが
ジェームスとキャシーはとうとう全く声を出さなかった。

着陸してからパイロットがジェームスに言った。
「負けたよ!! なんとかして声を出さそうとしたんだけど、
 あんたたち夫婦にはかなわないよ。」

ジェームスが言った。
「なんたって100ドルだからね。でも・・・
 キャシーが落ちてしまった時はもう少しで声を出しそうになったけどね。」
2019/11/21(木) 05:28 笑い 記事URL COM(0)