万年筆の選び方ある高級そうな文具店で親子が話していた。
「お父さん、 僕、 万年筆が欲しいんだ」
「じゃあ、お父さんが、
いい万年筆を選ぶコツを教えてあげよう」
「うん」息子がうなずいた。
「いいかい、まず紙の上に実際に時を書いてみることだ。
少しでも引っ掛かるようなら、
その万年筆は諦めた方がいい」
「うん、わかった」 父親は続けた。
「滑らかに書けるようなら、
次に実際にインキを入れてみることだ。
インキの入りが悪いようなら、
その万年筆は諦めた方がいい」
「うん、わかったよ父さん」
「インキがスムーズに入るようなら、
次にキャップの止め金を調べてみることだ。
実際にポケットに差してみて、
止め金がきつすぎないか、
ゆるすぎないか試してみるんだな。
止め金の具合が悪いようなら、
その万年筆は諦めた方がいい」
「うん、わかった」
一呼吸おいて、さらに父親は言った。
「止め金がきちんとポケットに 引っ掛かるようだったら...。
いいかい、これから先が一番大切なことだよ」
「うん?」
「止め金がきちんとポケットに
引っ掛かるようだったら、
近くに店員がいるかどうか。
店員がいるようなら、
その万年筆は諦めた方がいい」