早朝ビリーは大きな悲鳴で目が覚めた。
急いで外に出てみると、トイレの最中だった様子のトムがズボンを下げたまま倒れていて、まだら模様のヘビがトムの大事な所に噛みついていたのである。
ビリーは、ヘビを棒で追い払い親友のトムを助け起こした。
「おい大丈夫か?しっかりしてくれ!」
彼は必死で親友に呼びかけた。
しかしトムは、意識はあるようだが高熱を発しており、
唸り声を上げるだけだった。
ビリーは脱兎の如くテントに戻ると、携帯電話で病院に電話をかけた。
「もしもし。ボクの親友がヘビに噛まれてしまったんです。
ボクの大切な親友が!どうしたらいいんでしょうか?」
「いいから、落ち着いて話なさい」医師は言った。
「そのヘビの大きさは?・・・模様は?・・・」
ビリーの話を一通り聞き終えた医師は言った。
「それは、かなり危険な毒ヘビだ。
噛まれた所からすぐに毒を吸い出すしかない。
そうしないと、君の友人の命はないだろう」
医師の助言を得たビリーは、少し考え、親友のところに戻った。
いくらか意識がはっきりしてきたトムは、苦しい息の下で尋ねた。
「で、医者はどういったんだい・・・?」
「ああ」ビリーは、親友に答えた。
「すまないが、もう手のほどこしようがないそうだ」