早朝ビリーは大きな悲鳴で目が覚めた。

急いで外に出てみると、トイレの最中だった様子のトムがズボンを下げたまま倒れていて、まだら模様のヘビがトムの大事な所に噛みついていたのである。

ビリーは、ヘビを棒で追い払い親友のトムを助け起こした。

「おい大丈夫か?しっかりしてくれ!」

彼は必死で親友に呼びかけた。

しかしトムは、意識はあるようだが高熱を発しており、
唸り声を上げるだけだった。

ビリーは脱兎の如くテントに戻ると、携帯電話で病院に電話をかけた。

「もしもし。ボクの親友がヘビに噛まれてしまったんです。
 ボクの大切な親友が!どうしたらいいんでしょうか?」

「いいから、落ち着いて話なさい」医師は言った。

「そのヘビの大きさは?・・・模様は?・・・」

ビリーの話を一通り聞き終えた医師は言った。

「それは、かなり危険な毒ヘビだ。
 噛まれた所からすぐに毒を吸い出すしかない。
 そうしないと、君の友人の命はないだろう」

医師の助言を得たビリーは、少し考え、親友のところに戻った。
いくらか意識がはっきりしてきたトムは、苦しい息の下で尋ねた。

「で、医者はどういったんだい・・・?」

「ああ」ビリーは、親友に答えた。

「すまないが、もう手のほどこしようがないそうだ」


2019/06/12(水) 05:47 笑い 記事URL COM(0)