「一体夜通し、どこをほっつき歩いてたんだい?」
「新しく、ちょっと変わったバーができてね。ゴールデン・サルーンっていって、
何でも黄金でできてるんだ」。
「何をたわけた事を! そんな所、ありゃしないよ!」
「いや、本当なんだ。大っきなドアが金で、床も金で、何でもか--
そうだ、トイレの男便器まで金なんだ」

そんな話が信じられなかった彼女は次の日電話案内に問い合わせ、
町の向こう側に「ゴールデン・サルーン」という店ができたのを知った。
さっそく電話して昨日の話を確認する。

「ゴールデン・サルーンですか?」
「そうです」
「大っきな金の扉があるんですか?」
「そうですよ」
「床も金で?」
「間違いなく」
「トイレの男性用の便器も?」

しばらく沈黙が続いた後で、店の人が叫び出したのが聞こえた。
「おい、トム。お前のサックスに昨日晩小便した奴だけどな、どうやら手掛かりがわかりそうだぞ」

2019/05/30(木) 05:41 笑い 記事URL COM(0)