便利屋のサムは、少し忘れっぽいところがあるが、誠実な男だった。
サムがある金持ちの屋敷に仕事で呼ばれて行くと、初老の主人が
出迎え、サムを居間に通してソファに座らせ、仕事の説明をした。

「今日、君には二つの仕事を頼みたい」
そういうと主人は右のポケットから小さな薬瓶を取り出した。
「二階の廊下をまっすぐ行って右に曲がってから三番目の部屋には、
愛犬のセントバーナードがいる。この子は最近ひどい虫歯なんだが、
どうしても獣医にもらった薬を塗らせてくれないんだよ。だから君には、
この薬を塗ってやってもらいたい」
次に主人は、左のポケットからコンドームを取り出した。
「二階の廊下をまっすぐ行って左に曲がってから四番目の部屋には、
私の若い妻がベッドで待っている。彼女は最近ひどい欲求不満なんだが、
どうしても私のあそこが言うことを聞かないんだよ。だから君には、
久しぶりに妻に女の悦びを存分に感じさせてもらいたい」
サムはいささか臆したが、意を決した表情で申し出を引き受け、謝礼の
500ドルを前金で受け取った。サムは薬瓶とコンドームをポケットに入れて
二階へ昇っていった。

しばらくすると、セントバーナードの激しい吠え声が二階から屋敷中に響いた。
セントバーナードはしばらく吠え続けたが、やがて大人しくなった。少し間を
おいて、サムが二階から居間に降りてきて、屋敷の主人に尋ねた。

「すみません、虫歯の奥さんの部屋はどこでしたっけ?」(笑)
2018/10/15(月) 06:08 笑い 記事URL COM(0)